マイクロクレジットについて

『元祖マイクロクレジット』 
グラミン・クレジットの神髄

“慈善事業ではない、真の貧困からの脱却を目指したもの。特筆すべきは現在、800万人の顧客を有し、その97%は女性で、彼女たちが銀行の株主でもあること。また、融資を受けた人々の子供たちの識字率はなんと99%に及ぶ。弱い立場にある女性の自立と生活向上を可能にしたシステムの根底にあるもの、それは“信頼関係に基づいた、徹底した決意の共有”だ。グラミン銀行から融資を受けるためには5人組を作り、メンバーはお金を借りる前にグラミン銀行の規則や考え方を学ぶ。その後も、グループリーダーが活動報告や行員との交流を定期的に行う。この共同体としての原動力が、システム成功の重要なカギといえる”

ムハマド・ユヌス氏は、母国バングラデシュで、1983年にグラミン銀行を設立。そこで、貧しい人々に無担保・低金利で少額融資をするシステム「マイクロクレジット」に取り組まれ、2006年にはノーベル平和賞を受賞されました。そして現在、マイクロクレジットグラミン銀行は、バングラデシュのみならず、アメリカをはじめ世界各地で着実に成功を収めています。

誰もが失敗するだろうと言っていた、アメリカでも奇跡的と評されるほどの成功を収めることができたそうです。

成功した理由は、バングラディッシュの時と同様2つあるそうで、
①大きな必要性があった
②それを満たす方法論があった の以上2点。

バングラデシュと同じくアメリカでも、貧しい人たちほどお金を必要としているのに、高利貸しや質屋を除けば、彼らにお金を貸したがる人は誰もいませんでした。だから、私たちがそのお金を親身になって差し出した時、彼らは「感謝」し、「信用」してくれ、そこで相互の信頼関係が成り立った。つまり、この「相互の信頼関係」こそが、バングラデシュで始まって今やアメリカにまで及んだ、マイクロクレジットグラミン銀行が成功した一番の理由だそうです。

誰もが手を出さなかったマーケットに参入。最大の障壁となる信用の問題は、事前に信頼関係を構築する仕組みをつくることでクリアした。
金の貸借には『信用』が両者間の根底にある。通常、他人同士の貸借なので、信用を具体化する必要があり、個人であれば勤務先や年収を開示する必要があり、企業であれば財務情報を開示する必要がある。
通常の金融機関では慎重に行われる信用調査。どのような人は企業でも調査は行われれ、通常であれば、年収が低いとか、職についてまだ勤務年数が浅いという理由で断ることが往々にしてある。それが担保なしで貧困層に貸すという超リスキーな仕組みで挑んだところが勝負の分かれ目であったと思う。
リスキーな部分の解決策が見事である。詳細は前述しているが、チームを作り、チームワークを強化し、チームワークを乱せないと思わせるくらいまで教育する制度がすごいと思った。