【副業に興味のある方は必見】大金持ちも驚いた105円という大金 救われたローン人生 (著者:吉本康永)


大金持ちも驚いた105円という大金


【あらすじ】
還暦前の著者が、住宅ローンなどの返済を何千万円と抱えるなか、本業の給与が25%カット。路頭に迷いかけたときに、「せどり」という商売に出会い、そこから二年間のせどり生活を通じて感じたこと、学んだことが綴られています。
※「せどり」とは、仕入れてきた本を、仕入れ値より高く売る販売行為のことです。

【読後感】
2時間ほどで読めました。総体的な感想としては、簡単にお金は稼げない。強い意思・強い目的がなければ、お金は稼げない。目的を軸に、コツコツ経験を積み重ねたものだけが成功すということを、改めて感じさせてくれる良書でした。副業で簡単に稼げるテクニック!などのタイトルに、安易に目がいってしまう自分に対して、自己嫌悪になった次第です・・・。
イチローが好きだと、本の中で語られていましたが、まさにイチローの名言「ちいさいことをかさねることが、とんでもないところに行くただひとつの道」がピッタリ合う本でした。

せどりについての著者の体験が、とてもリアルに伝わりますので、せどらーの方には必見ですね。
私は読んでみて、絶対にせどりはしないと思いましたが・・・。
せどりで簡単に稼ぐための手法・ノウハウが書かれてるのではありません。せどりの実状・デメリット(もちろんメリットも)が、著者の体験を通じて、丁寧に語られています。
せどりで儲けれますよという風潮があり、この本でノウハウを盗もうなど、甘い考えで読まれる方は拍子抜けするか、己の甘さに深く反省されることでしょう。

今回1番印象的だったのが、この本の終わり方でした。ローン返済のために、本業だけでは生活が苦しく、副業としてせどりをはじめた著者。本来なら、ローンは完済!コンサルはじめました!世界一周旅行行きます!みたいなエンディングが過去の経験上想定できますが、著者は、まだまだローンの残債があり、返済のため、今もせどり実行中とのことでした。
なんとも、リアルな終わり方でした・・・。なんか、この著者の人柄が滲み出ているエンディングです。

せどりを始めたい方、今から起業しようという方、今の会社に依存しすぎて危機感を感じている方には必見です。
せどりに出会い、せどりの収入を軌道に乗せるまでのストーリーは、まるでベンチャー企業の社長のようです。それに加え、定年間近の年齢である著者の視点が面白く、この本のエッセンスとなり、より味わい深い本にしています。