【これからのマーケティング】「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く (著者:阪本啓一)


「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く。 (「市場の空席」を見つけるフォーカス・マーケティング)



【はじめに】
仕事柄、マーケティング(販促系)の本は読み漁ってきましたが、今の今まで著者を知りませんでした。
Amazonさんにリコメンドしてもらい、出会うことができました。Amazonに感謝。良本でした。

内容は「たった1人に集中しよう」というマーケティングアプローチについて。
12年間コンサルティングを通して導き出した結論は3つとのこと。
・ビジネス環境が大きく変わった。しかもこの変化は非連続、革命だ。
・それにともなってマーケティングを変化させないと成果が出ない。
・新しいマーケティングは新しいアプローチになる。
この結論をもとに、同じやり方を続けていてもダメだ、“違うやり方”しなければと著者は主張されております。

情報があふれすぎてメッセージがまともに届かない時代は、
多く・広く→×
狭く・濃く→○



【感じたこと】
本の題名に全てが集約されています。思い切ってターゲットを絞る!
自社の強み(本書でいうコアアイデア)を正確に把握し、「たった1人」を振り向かせる・・・。振り向いた顧客から“感染”、いわゆる口コミやSNSで情報がシェアされ、顧客が顧客を呼ぶようになる。簡単なことのように思いますが、
いざお店を経営する立場にたって、これができる経営者はなかなかいないのではないでしょうか?
私の経験上、このアプローチをできる企業は皆無に等しいです。だってみんな1人に絞るなんて怖いですから。怖いから、多くの人にアプローチしたくなる。ついついマスメディアを使ってしまう。当然ながら、マスに同じ情報を流しても、消費者は振り向いてくれない。「最近折込チラシの反応が悪いんだよ」と言いながらも、折込チラシを使い続ける取引先が非常に多いです。だからこそ、このマーケティングアプローチが効果を発揮していくのでしょう。

あと、著者の、企業の強みを顕在化する一つの質問が秀逸ものでした。
それはたった一つの質問、「君のビジネスをつぶすには?」と聞くこと。自社の本当の強みが何なのか、考えやすくなる質問ですよね。
例では、「工場が潰れたらわが社は終わる」→「工場は立て直すことは可能」→「とある部品がなくなったらビジネスができない」→「この部品を作っているのは今の仕入先のみ」→「この仕入先がなくなればビジネスが終わる」という、掘り下げて、掘り下げて強みを顕在化していく。トヨタの「なぜ」×5回みたいですね。
この質問で、コアアイデア(自分のビジネスを成り立たせるアイデア)が何かを知り、伝わりやすいようにすること。これがマーケティングの第一歩とのことでした。

私も仕事柄、この質問は実践で使ってみようと思います。

読みやすい文章で書かれ、かつ内容が深い。マーケッターは必読ですよ!!!


【ピックアップ】
■インタレスト(興味・関心)は自分では広まらない。広めるのはあくまで人だ。そして、ネット社会では、ますます人間的要素が求められる。等身大で、正直に。

■「どれだけたくさんの人に到達できるか」とうものさしを捨てよう。それより「わたしたちの商品を歓迎してくれるインタレストをもった人はどこにいて、だれなんだろう?」と考えよう。「How many(量)」を最初に追うことを捨てる。最初に量を追うことは、計測不能な宝くじ的なマーケティング予算を使うことにつながる。たいていの会社にそんなキャッシュの余裕はないはずだ。「Who(だれ?)」を探ると、結果的に。「How many(量)」を手にすることができる。

■ほんものであること自体が最強のとんがりなんだ。そして、ほんものだからこそ、たった1人に発見され、届いて、拡散する!

■フォーカスするのはたしかに目の前の1人だが、目的はメッセージをただ一方的に投げるだけではなく、「対話」すること。「対話」した結果、「信頼」が生まれ、そこに「物語」が紡がれる。
そして、その「物語」は、顧客と企業のマーケター両方に「記憶」となって、互いの「思い出」の中に生き続ける。


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