【技術だけではダメなんです】新しい市場のつくりかた(著者:三宅秀道)

新しい市場のつくりかた


以前読んでまとめてなかったので。
現在大学で専任講師をされている著者。
大小問わず、約1000社の現場を自分の足で回り、新たな経営戦略を提案されております。



【読んでみて】
読み始めてすぐに思い出したのが、以前流行したブルーオーシャン戦略。先の見えない日本市場において、技術やスペックの競争や値下げ合戦に疲弊していることを問題視し、戦うフィールドを変えようというのが本書の考え。
日本版ブルーオーシャン戦略といったところでしょうか。今回具体的な戦略ではなく、大局的な視点で書かれております。

今までは、「技術=ものづくり」に傾斜した、文明重視の議論が多かったのですが、
これからは文化を創造すべきと。
平たく言うと、新しいライフスタイルを提案しましょうということです。
ライフスタイルの提案については、マーケティングに詳しい方なら、王道だなという印象を受けると思います。
確かに王道です。私も思いました。

王道ですが、実際に文化を創造した日本企業の事例が、わかりやすく書かれており、読み応えあります。ウォシュレットのくだりも面白かったです。昔からウォシュレットを作る技術があったのに、そのニーズがなかったため、メーカー側も作らなかった。作ることさえ考えなかったということでしょう。
ニーズがない理由。それは、ウォシュレットの文化がないので、お尻を洗うなんて、誰も思い浮かばないんですよね。ん〜確かに、今となっては当たり前ですが、全くのゼロベースで考えた場合、普通にトイレットペーパー使いながら、水で洗えたら楽なのにな、なんて思いつくはずない(笑)
どのようにしてウォシュレットを普及させたかは、本書にてご確認を!

私もそうですが、クライアントや消費者に提案する側として、あるモノ、存在するモノの範囲で提案するのが現状です。
本当に文化を創造する仕事ができるのであれば、それは最高にワクワクしちゃいます。ただ難しいですよね、これが。
新しいライフスタイルの提案であれば、プチ提案のレベルくらいなら、世の中ゴロゴロしています。しかし、文化に昇華できるくらいのライフスタイル提案は皆無に等しいです。

やはり視点がキモとなります。どういう切り口で物事を見るのか。同じ物体を見ても、それが解決する「問題」として、「問題」と思う人•思わない人では、文化を創造できる可能性も大いに異なります。

私は以前、自慢ではないですが、文化を創造して、自社の商品サービスを拡大していこうと考えたことがあります。
でも文化、言い換えると世の中の慣習を創造するとなると・・・、途方にくれました(シーン)
しかし本書で、事例で上がっていたウォシュレットしかり、学校の水泳で使う水泳帽(これも文化がなかった!)しかり、色んなところに、「見えない問題」は眠っているのかもしれません。
いつぞや、文化を創り出したいもんです。


Amazonレビューも評価高し!



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